『土曜ワイド劇場』39年の歴史に幕
- 2017年3月7日
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1977年7月から始まった2時間ドラマの先駆けである『土曜ワイド劇場』(テレビ朝日系)が17年3月をもって39年8カ月の幕を閉じる。スタート当初は1時間半枠だった同番組だが、西村京太郎や森村誠一といった人気作家の名作をドラマ化した事がヒット。開始わずか1年9カ月の79年4月から実質2時間枠となり長年、ワイドドラマを牽引してきた。
その『土曜ワイド~』も視聴者の高齢化とスポンサー離れ、致命的になった若年層の獲得がうまくいかず視聴率低迷…などが重なり、打ち切りが決定。後任番組は中居正広を起用したバラエティと情報に特化したモノになる。『土曜ワイド~』の冠であった『土曜プライム』が終了、ドラマとは決別した格好となったのだ。
最も、潜在的な視聴者は手堅く存在するため、2時間ドラマ枠は残すと芸能関係者は次の様に語る。
「要するに、メイン視聴者層だった60歳以上が土曜日の夜9時からの2時間に耐えられなくなった。それならば、彼らが最も欲している時間に2時間ドラマを移行したらどうか、となり4月からは日曜日の10時から『日曜ワイド』としてリスタートする事になった」
『相棒』『家政婦は見た!』など名作を生み出した『土曜ワイド』
日曜日の10時台はTBS系が『サンデー・ジャポン』、日本テレビ系は『誰だって波乱万笑』、フジテレビ系は『ワイドナショー』と強力なライバルが周囲をガード。ただ、他局は視聴者層がU-50と『日曜ワイド』のそれとは異なる。ここが狙いなのだ。
つまりテレビ朝日はこの時間帯、“現役世代”を捨てて“引退世代”にターゲットを特化。大勝負に出たという訳である。
ただ、『土曜ワイド~』はテレビ朝日の超人気ドラマシリーズ『相棒』『家政婦は見た!』『警視庁捜査ファイル さくら署の女たち』や『法医学教室の事件ファイル』『おとり捜査官』『温泉若おかみ殺人推理』…など名作が多い。『相棒』『家政婦~』『~さくら署の女たち』は大ヒットから同番組を飛び出し、1時間枠の連続ドラマシリーズとなったが、それ以外は今でも2時間枠で存在感を発揮している。
「そもそも前身は『土曜映画劇場』で、その流れを引き継いだドラマの真髄。それだけに出演者もアイドルとは一線を画した役者ばかり。言ってみれば、映画をテレビのレギュラーで放送をしているのと同じです。映画の興行収益が上がっていると昨今、言われますが、元来の映画ファンは今の商業映画から離れている。演技や映画の内容よりもよりタレント名前が映画より前面に出ていますから。その一方、『土曜ワイド~』は名優の演技とドラマの脚本が玄人好み。今後、これまで同様のキャスト、内容で続けられたらいいのですが、若者を少し意識し始め、キャストが若返る若しくは大手芸能プロの圧力が加わり、出演者の傾向が変わったりすると、番組が地盤沈下を起こすでしょう」(前出・芸能関係者)
日曜の朝の2時間ミステリーは定着するか
確かに、『土曜ワイド~』では“本格仕様”の俳優・女優が多く出演。特に、大手プロダクションの傘下では無い芸能事務所にとっては若手演者の育成番組でもある。
『おとり捜査官』シリーズに出演中の新進女優・春宮みずきは『土曜ワイド~』への思いを「主演の松下由樹さん、水野美紀さんの演技を近くで学べ、監督さんやスタッフさんがベテランで指示が的確なのは、私の様な駆け出しには本当に勉強になります。日曜日の朝に放送時間が変わるのは何となく寂しいですが、引き続き、今のチームで番組を作って行けたら嬉しいです」としみじみ口にする。
「高齢化社会が深刻化している」「現役世代の価値観が多様化していっている」…などで放送時間が変更するのは理解できるが、歴史ある番組がリスタートするとはいえ、終了するというのは残念な話だ。
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